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(1)2者直結型における受信時期
この形態の通信方法では、?発信者が自社のコンピュ−タ・システムのメ−ルボックスに発信デ−タを書き込み(記憶させ)、受信者がそのデ−タを読み出す形態のものと、?発信者が受信者のコンピュ−タ・システムのメ−ルボックスに発信デ−タを伝送し(記憶させ)、受信者がそのデ−タを読み出す形態のものなどがあるが、そのいずれの場合においても、受信者が伝送されたメッセ−ジを取りにいける(読み出せる)状態になれば、伝送されたメッセ−ジは、受信者によりアクセス可能となるので、本条の規定により、その時点において受信されたものとみなすことができることになる。
(2)VAN経由型における受信時期
EDI取引がVANを経由して行われる場合には、発信者が「連絡モ−ド」でVANのメ−ルボックスにメッセ−ジを送り込んだとき(記憶させたとき)に、例えば、売買契約が行われるケ−スについてみると、そのときに発信者(発注者)からの契約の「申込」の意思表示があったことになる。そして、メッセ−ジがそのような状態に置かれることになれば、つまり、受信者(受注者)がVANのメ−ルボックスに「照会モ−ド」で発注デ−タを取りにいくことができる状態になれば、当該メッセ−ジは受信者においてアクセス可能となるので、その時点で、受信されたものとみなすことになる(発注者からの契約の「申込み」の意思表示が到達したことになる)。

 

VAN経由型における意思表示及びその到達

(注)VAN(共同利用EDIネットワ−ク)における受信デ−タの処理
発信者から送信されたメッセ−ジは、一旦、VAN内に設置された発信者毎のメ−ルボックスに格納された後、メッセ−ジの宛先に対応する受信者用メ−ルボックスに振り分け処理される(移される)。メッセ−ジの振り分け処理は、発信者からのメッセ−ジが発信者のメ−ルボックスへの格納が確認される都度(イベント型)、または一定時間間隔(例えば、30分とか1時間毎に・スケジュ−ル型)で行われている。
5.メッセ−ジの受信に関連した問題への対処方策
伝送されたメッ−ジに対する受信者側のアクセスに関しては、次のような事態も想定されるので、そのような事態が生じた場合におけるメッセ−ジの処理およびその法的効力の発生時期の取扱等について、予め、当事者間において協定をしておく(EDI協定書にこれらの事項の処理等に関する規定を設けておく)ことが必要になる。
なお、次の(2)及び(3)において想定される事態に関しては、「受信確認」について、十分な配慮が必要となる。
(1)受信者側のメ−ルボックスの状況に起因する事態
受信者側システムのメ−ルボックスの容量設定の仕方やメ−ルボックスからの受信デ−タの取り出し状況の如何によっては、当該メ−ルボックスにおいて伝送されたメッセ−ジを受け取ることができなくなる事態(コンピュ−タシステムや資源のアベイラビリティの問題)が生じるおそれがある。
(2)メ−ルボックス・サ−バ−での問題
メッセ−ジが、?複数のメ−ルボックス・サ−バ−を経由して伝送されるというケ−ス(VAN間接続)及び?インタ−ネットを利用するケ−スなどにおいては、伝送されたメッセ−ジが受信者側のメ−ルボックス・サ−バ−に至るまでにどのような通信経路を通るのか分からないということがある。
このため、伝送されたメッセ−ジが発信者のメッセ−ジの通信処理を委託されているVANのメ−ルボックスに送りこまれたとしても、それから先の接続ができないという事態が生じるおそれがある。

 

 

 

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